65歳以上の人が一日にある歩数の平均は男性で5597歩、女性で4726歩というデータがあります。一方、高齢者が健康を維持するために目標とされている歩数は男性が7000歩、女性が6000歩。つまり全体平均で見ると健康に必要な運動量を満たしていないことになります。高齢者の多くが運動不足の問題を抱えている、というのが現状なのです。
この問題に関してとくにあるあるなケースとして挙げられるのが社会と関わる機会が減ることで外出の機会そのものが減ってしまうことです。年齢を重ねると新しい友人を作るのがどうしても難しくなりますが、身近に友人・知人がいない環境ゆえに社会との接点が少なくなり、外出する機会も減って家に閉じこもりがちな生活になってしまう。それが結果的に運動の機会を奪ってしまっているのです。
自分で運動できる機会をなかなか思うように作れない、というのもあるあるなケースです。誰かと一緒にウォーキングをする、あるいはハイキングや登山に行くといった形で運動をする機会を作っている一方でそうした「誰かと一緒にやる」機会がないと体を動かす機会がないという人も多いのです。
同じようにジムなどに通って運動する機会はあっても、自宅や自宅周辺で体を動かす機会を設けていないケースも多く見られます。そのためどうしても周囲の環境に依存してしまい、自発的に運動するのが難しくなってしまっているのです。
冒頭のデータからも現状では高齢者は日常生活の中で十分に体を動かす機会を確保できていないことが示されています。もっと気軽に、自発的に体を動かす機会を高齢者ひとりひとりが確保できるかどうかが今後のテーマになってくるのかもしれません。そのためにも散歩やウォーキング、あるいは自宅でできるストレッチなど「いつでもできる運動」の有用性を広く認知させていく必要もありそうです。