体の不調が精神面に悪影響を及ぼすことも

高齢者が健康で充実した生活を送るうえで重要なポイントとなるのが精神面の充実、精神面の健康の維持です。体は老化によってどうしても健康が失われていくわけですから、せめて心はヘルシーな状態を維持することが求められます。しかし、なかなかそれが難しいことが多いのです。

とくに多いのが孤立化とストレスの蓄積による精神面の不安定化。体が思うように動かない、自分のことが自分でできずに家族に負担をかけてしまうといったストレスが精神面に悪影響を及ぼします。

例えば、人に迷惑をかけたくないと引きこもりがちになってしまったり、逆にささいなことにイライラしてしまい人にぶつけてしまったりします。運動機能の低下によって体力的な面で社会と接する機会が低下してしまうだけでなく、ストレスがもたらす精神面の問題が機会を減らしてしまうこともあるわけです。

この問題を予防・改善するためには「現状をポジティブに受け入れる」ことと「あまり気にしない」ことが重要です。いい意味での「鈍感力」とも言うべき心構えを持つようにしましょう。

健康の問題から周囲に負担をかけてしまっていることに負い目を感じているなら「支えてくれる人たちがいるなんて自分は幸せだ」とポジティブに考えるようにしましょう。「迷惑をかけて嫌われているんじゃないか」と不安になったら好かれるような行為を心がけてみましょう。

そして人と積極的に会う機会を持つこと。楽しい時間を過ごせばストレスを解消するよい機会になりますし、一人で考え込んで悩んでいたことがじつは大した問題ではなかったと気づくこともあります。体の健康の事情からどうしてもネガティブに傾きがちな精神状態をいかにポジティブな方向へ持っていけるか、日頃から意識して対処していきたいところです。